腰の主な疾患

筋膜性腰痛症

筋膜性腰痛症とは

スポーツ活動等によって起こる腰の筋膜や筋肉の損傷による腰痛の一種です。決まった動作ではなく、何をしても痛いという症状があらわれます。レントゲンでは異常がなく、足への痛みや痺れなども起こらないのが特徴です。

筋膜性腰痛症の原因となることが多いのが、前傾姿勢でなおかつ身体を捻るような姿勢をとったときです。そのような場合、筋肉に強いストレスがかかり、筋肉が損傷してしまい腰痛の原因となります。また、ゴルフなど身体を捻じる動作が多いスポーツや長時間のデスクワーク、中腰姿勢での作業などによる慢性的な疲労により発症しやすくなります。

治療方法

筋膜性腰痛の治療では、薬物療法、運動療法、温熱療法などが行われます。熱感、疼痛などがあればアイシングを行い、炎症の緩和を図ります。運動療法では、マッサージ、ストレッチを行い筋緊張の緩和を促進させたり、超音波や高周波などの物理療法も有効です。また、湿布や軟膏に消炎鎮痛剤を加えることにより症状を緩和させることも可能です。

予防

 お尻のストレッチ

  • 1.背筋を伸ばして椅子に座る。足首をもう片方の膝に置くように足を組む。
  • 2.背筋を伸ばしたまま胸をすねに近づけるように、前に倒れる。
  • 3.適度なところで止め、深呼吸を数回行う。

※曲げている足のお尻の付け根が伸びる感じがある。背中が丸まるとあまり伸びないので注意。

腰椎椎間板ヘルニア

腰椎椎間板ヘルニアとは

背骨の腰の部分、体を支える腰椎と言われる骨と骨の間でクッションのような役割を果たす「椎間板」が、後方または後側方に飛び出すこと、そして、その飛び出た椎間板ヘルニアが神経を圧迫してしまい症状が出てきます。主な症状は「下肢の痛み」「下肢の運動障害」「腰痛」です。痛みやしびれは下半身のどこにでも出る可能性があり、症状が悪化すれば日常生活に支障をきたす恐れもあります。

椎間板が損傷してしまう理由は様々ですが、加齢と腰椎への負担が大きな原因であると考えられています。腰椎椎間板ヘルニアのピークの年齢は50歳代で、喫煙や遺伝が発症原因になることもあります。

治療方法

痛みのみの場合は、約80%前後は自然経過で軽快するとされているため、消炎鎮痛剤の内服で痛みを治まるのを待ちます。また、腰椎コルセットの装着なども併せて行います。痛みが軽くなったら、けん引や温熱療法、高周波治療を行い、動ける範囲でリハビリを行っていきます。痛みが強い場合には、鎮痛を治めるブロック注射などの治療も行います。

予防

腰への負担を減らすだけではなく、負担に耐え得る身体を作る事も大切です。柔軟性を上げたり、筋肉を鍛えたりすることが重要な予防につながります。

腰椎圧迫骨折

腰椎圧迫骨折とは

脊椎圧迫骨折の一種で、背骨(脊椎)が、押しつぶされるように変形してしまう骨折です。痛みの特徴は、寝起きや立ち上がり動作時に痛みが悪化します。安静にしているときはそれほど痛みを感じないのが特徴です。症状が悪化すると、下肢の痛みやしびれ、麻痺などの症状があらわれます。

原因

基本的には、骨の強度が低下することが原因で起こり、骨粗しょう症を抱える高齢者に多く見られ、後ろに倒れて尻もちをつくなど、小さな衝撃でも起こるのが特徴です。骨粗しょう症が重度のケースでは、日常生活においてくしゃみをした時や重いものを持った時、椅子に腰掛けただけで骨が折れることもあります。

治療方法

軽度の場合は、コルセットで腰部を固定し、前屈(お辞儀をする動作)を禁じ安静にします。個人差がありますが、4週前後で痛みが軽減し、ほとんどの方は3~6か月程度で治ります。 重度の場合や痛みのコントロールができない場合には手術になることもあります。

予防

骨粗鬆症が要因であるケースが多いため、骨粗鬆症を防ぐことが予防になります。骨量が低い場合、食事療法(カルシウム、ビタミンD、ビタミンK、リン、マグネシウムをとる)や背中・足の筋肉を鍛えて転倒しないようにする運動療法、及び内服薬や注射などによる骨粗鬆症治療を行います。日頃から適度な運動を行うように心がけましょう。

腰部脊柱管狭窄症

腰部脊柱管狭窄症とは

黄色靭帯が分厚くなったり、椎体と椎体の間にある椎間板が突出してヘルニアとなったり、骨そのものが変形突出したりすることで脊柱管が狭くなった状態のことを指します。腰の痛みや脚の痺れなどの症状を起こすもので、長い距離を歩くことができません。特徴的な症状は、歩いてしばらくすると下肢に痛みが生じるが、休憩すると痛みが和らぐ間歇性跛行です。また、排尿や排便に障害が認められる症状もあり、60歳以降の方に多くみられます。

下記の症状があれば腰部脊柱管狭窄症を疑いましょう。

<下肢の症状>

  • ・歩きにくい
  • ・ふらつく
  • ・階段が上り下りしにくい
  • ・最近長距離歩行が困難になった

原因

原因の多くは加齢変性による神経の圧迫です。加齢、仕事で変形した椎間板と、背骨や椎間関節から突出した骨などにより、神経が圧迫されます。脊柱管は背骨、椎間板、関節、黄色靱帯などで囲まれた脊髄の神経が通るトンネルです。年をとると背骨が変形したり、椎間板が膨らんだり、黄色靱帯が分厚くなって神経の通る脊柱管が狭くなり、それによって神経が圧迫を受け、神経の循環が悪くなり発症します。

治療方法

<保存療法>

  • ・コルセットの装着
  • ・鎮痛消炎剤や神経痛を抑える内服薬の投与
  • ・温熱療法
  • ・けん引
  • ・ブロック注射
  • ・ストレッチや筋力トレーニングなどのリハビリテーション

※保存療法でも効果がなく、日常生活に影響をきたす、筋力の低下などの症状が現れた場合は、手術療法を行う場合もあります。

腰部脊柱管狭窄症に関するQ&A

 おすすめのストレッチは?

膝かかえストレッチ
① 仰向けになり両膝をかかえます
② 太ももをお腹に近づけるようにします。15秒キープし、5回ほど繰り返します。

 腰部脊柱管狭窄症の筋力トレーニングとは?

体幹のインナーマッスルを鍛える運動です。 腹筋に力を入れることで腹圧が高まります。そして、脊柱への負担が軽減し痛みやしびれが減少します。

 腰部脊柱管狭窄症と腰椎すべり症の違いはなに?

腰椎すべり症は、腰の骨と骨の間にずれが生じてしまう病気で、ずれが起きることでその部分で段差が生じ脊柱管が狭くなり狭窄症を起こしてしまいます。すべりの程度が大きいものや姿勢によって背骨がグラグラ動くような不安定なものは腰痛の原因になることがあります。

診療科目

・整形外科・一般外傷・形成外科・骨粗鬆症治療
・スポーツ整形外科・交通事故治療
・リハビリテーション科
・プラセンタ注射・漢方治療

住  所

〒832-0822 柳川市三橋町下百町209-4 グランキューブ伸宅ビル1F

電  話

0944-85-7455

診療時間

9:00~18:00(12:30~13:40は受付時間外/日祝休診)

※午前中は8時50分、午後は13時55分より受付いたします。
学会等の都合により、診療医師や時間が変更になる場合があります。

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